もはや生活必需品となった自動車ですが、生活費に占める割合が比較的大きいのが自動車の維持費です。自動車の維持費のうち最も負担に感じるのは車検ではありませんか？特に日本は車検制度が厳しく、海外に比べてお金がかかるというイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか？

日本の車検制度

日本では基本的に2年に1回（ただし新車購入後の初回は3年後）、車検を受けることが義務付けられています。ただし商用車の場合、軽自動車を除き1年に1回（新車購入後の初回は2年後）となっています。車検費用の具体的な内訳は、自動車重量税、自賠責保険料、検査・登録手数料、お店に払う点検整備料金となっており、法定費用がその大部分を占めています。点検整備費用は店舗によって差があります。合計金額のおおよその相場は、車の故障具合にもよりますが、軽自動車でも数万円後半～10数万円、普通車であればそれよりも高く、10万円を下回ることは少ないでしょう。商用車の場合はこの費用が1年おきに掛かってくるので、車検にかかる費用はさらに増えるでしょう。

日本以外で車検が導入されている主な国

日本以外の国で車検制度が導入されている国の例として、ヨーロッパではドイツ、イギリス、イタリア、スイス、ベルギー、オーストリアなど多くの国が導入しています。一方で北米のカナダやアメリカ合衆国には車検制度がありません（ただしアメリカ合衆国は州単位で車検制度があるところもあります）。アジア圏では、日本以外には例えば韓国や台湾が車検制度を導入しています。また、中国という自動車大国がありますがこの国に車検制度はありません。そのほか、東南アジアでは、例えばマレーシアが商用車にのみ車検制度を導入していますが、基本的に東南アジアの国々には車検のない国がまだまだ多いです。しかし、安全性等の観点から導入を検討しているという国もあります。

実際、海外の車検費用は安いのか？

車検にかかる費用すべての合計額に着目した場合、やはり海外の方が圧倒的に安く済む場合が多いと言えるでしょう。車の傷み具合により故障修理費用が別途発生しますが、それを除けば、例えばドイツでは1回の車検に約80ユーロ（約1万円）、スイスでは約60フラン（約7千円）、イギリスでは約60ポンド（約1万円）、韓国では数万ウォン（数千円）で済みます。日本では不具合のない車ですら数万円～10数万円掛かりますから、この差は大きいと言えます。しかし、日本の車検代が高いのは税金や保険代が同時に請求されるためであり、検査・整備料金自体は店舗によって違いますが1万円から選べたりと、他の国とそれほど大きな差は無いと言えます。海外の場合は車検時にこれらの法定費用を請求しないので安くなっているというわけです。